フォニムは、日本最大級のオンライン音楽教室です。
フォニムでも講座が開講されていますが、バイオリン(ヴァイオリン)という楽器が憧れという方は多くいらっしゃいます。
でも、「何だか大変そう」「どこから始めたらいいのかわからない!」という方も多いと思います。
こちらの記事では、バイオリンにあらたに興味をもって始めたい方が、悩みがちな6つのポイントについて、解説!
- かんたんに購入できるかな?
- 買ってからどうすればいい?
- 構えていい音を鳴らすには?
- 音階の弾き方
- 初めての曲を弾いてみる
- 序盤のトラブル「毛が切れた!」「弦が緩んでしまう…」
今回のガイドは、プロバイオリニストの藤江 扶紀さんと一緒に執筆しています。
それでは、順番にお伝えしていきます!
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【このガイドを書いたひと】藤江 扶紀(ふじえふき)
大阪府出身のバイオリニスト。
第80回日本音楽コンクール(バイオリン部門)において優勝するなど、日本・フランスで受賞歴多数。東京藝術大学を卒業後、パリ国立高等音楽院大学院を修了。
ソロや室内楽分野で活躍するかたわら、2018年よりフランス・トゥールーズキャピトル国立管弦楽団 Co-Soliste(バイオリン首席奏者)に就任。後進の指導にも意欲的にあたっている。
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かんたんに購入できるかな?
バイオリンを始めたい、と思っても、なんだか高級そう、と思ってしまいますよね。テレビではよくお値段が1億円を越えるようなバイオリンが紹介されています。
でも大丈夫!5-6万円程度のバイオリンもありますし、レンタルバイオリンなら月額7,000円台から始めることも可能です。
また、近隣住民に迷惑がかかるかも・・と心配をされている方には、サイレントバイオリン™(ヤマハ)もおすすめです。
電子楽器ですが、弦が鳴る仕組みは全くアコースティックのバイオリンと同じ。
完全に無音で弾くことこそできませんが、ヘッドフォンをつけて音量調整ができるため、どんな環境でも、夜中の練習(いわゆるコソ練というやつですね)にも、最適です!
大人が弾くときは4/4サイズ(通常サイズ)を持ちます。
お子様が弾くときは、身長や体格に合わせてサイズを決めます。実際に楽器屋さんに足を運んで相談しましょう。
買ってからどうすればいい?
バイオリンは、買ってから音を鳴らすまでが少し大変な楽器です。
ここから詳しく解説していきます!
焦る気持ちを押さえて、まずは丁寧に準備していきましょう。
バイオリンと弓の部位には、ペグ、指板、駒、弦(G線・D線・A線・E線)、アジャスター、あご当て、弓先、弓元、フロッグ、ねじ などの用語があります。
図を見ながら確認してみてください。
・弓を張る
最初は「だらーん」としている状態の毛(通常、馬の尻尾が素材に使われています!)を、フロッグの上にあるネジを時計回りに回すことで張っていきます。
弓の中央部分で、木から毛までが「だいたい1cm弱」になるように調整してみましょう。
元から先までぜんぶ同じ間隔になるような強すぎる張り方は厳禁です!木が折れてしまいます。
練習を終えたときは、必ず弓の毛を緩めてから楽器ケースにしまいましょう。
・松脂(まつやに)を塗る
元の方から先の方まで、満遍なく、毛全体が白くなるように塗りましょう。
実際に音を鳴らした時に、弓のどの部分で弾いても音が鳴り、白い粉ぼこりがたたないくらいが適量です。
毛を新しくしたときは、通常よりも念入りに塗り込む必要があります。
・調弦(チューニング)
チューナーを見ながら、指で弦をはじくなどして、ペグ(大きいつまみ)でなんとなく音を合わせておきましょう。
通常、A線→D線→G線→E線の順で調弦します。後ほどアジャスターで微調整をします。
さらに詳しい解説記事はこちら!
はじめてのヴァイオリンの調弦【音感が無くてもOK】はじめてのヴァイオリンの調弦【音感が無くてもOK】
・肩当て
基本的には別売りの肩当てをつけることをおすすめします(サイレント・バイオリンの場合は楽器の構造上必ず必要です)。
フォニムのレンタルバイオリンには、肩当てが最初から付属しています。
・シールを張る
バイオリンは「フレットレス」の楽器ですので、初心者のうちは、指を押さえる位置を示すためのシールを貼るのがおすすめです。
フォニムのレンタルバイオリンには、始めからこのシールが貼られています。
インターネット通販などでもグッズを見つけることができますので、ぜひ探してみてください。
構えて音を鳴らしてみよう
バイオリンと弓の準備が整ったら、さっそく構えて音を出してみましょう。
大前提として、右手も左手も、「親指を中にしまった状態でこぶしを作り、ふわっと開いた時の形」をいつでも頭の中で意識するようにします。
・構え方
まず、楽器を鎖骨の上に置きます(丸で示した2点を意識して!)。
顎のやや左側で、軽く楽器をはさむようにして安定させます。
このとき、極度に肩があがったり、顔が傾いたりしないように注意しましょう。
次に、左手の親指の第一関節と人差し指の根元で、楽器のネックをはさむようにして持ちます。
・弓の持ち方
中指と薬指と親指の3本で弓を持つ意識です。
中指と薬指は、「第一関節で木をすくいあげられそうな位置」に。親指の位置も写真を参考に調整してみてください。
そこへ残りの2本も添えていきます。
その際、小指は指の腹部分を乗せる感じで弓の重さを支えます。
人差し指から小指まではほぼ等間隔になります。
ここでも「親指を中にしまって作るこぶしから、ふわっと開いたままの形」を意識します。
指が突っ張ることの無いように注意しましょう。
・開放弦を弾く
指板のおわりの部分と駒(こま)の間を毛でこすります。
弓の角度を変えることで、それぞれどの弦が鳴るかを観察しながら弾いてみましょう。
駒に近づくときつい音になり、指板に近づくとかすれた音になるので、まずはなるべく真ん中で弾けるように練習してみましょう。
また、弓の向きは駒に対してつねに平行になるよう、意識します。
※両わきはぎゅっとしめずに、わきの下に常に一定の空間を保つようにしましょう。
・調弦の微調整
楽器を構えた状態で、アジャスターを時計回しに回すと音は高くなり、反対に回すと低くなります。
チューナーを見ながら、A線→D線→G線→E線の順に音を確認しながら微調整していきましょう。
ここでしっかり合わせていても、弓のスピードが遅すぎたり、あるいは変に力んで音を出してしまうと、音程が不安定になるときがあります。
今はまだ、気にしすぎないようにしましょう!
音階を弾いてみる
弓の持ち方がわかったら、今度は左手で第一ポジションを押さえてみましょう。
先にご説明したシールにおける「2・4・5・7番目」の線に、それぞれ人差し指、中指、薬指、小指が対応するように乗せます。
なお、バイオリンの楽譜では、人差し指は1、中指は2、薬指は3、小指は4で表し、ピアノの指番号とは異なるので注意が必要です。
まず、G線上で第一ポジションを構えて、そのままの位置で指を弦から離して弾いてみましょう。
これが、ソの音です。
そこから、1(人差し指)、2(中指)、3(薬指)と押さえていくと、「ソ・ラ・シ・ド」と弾くことができます。
さっそくですが、これで音階の半分は完成です!
さらに、同じことをD線上でもやってみましょう。
D線上で第一ポジションを構えて、そのまま開放弦を弾き、そこから先ほどと同じ手順で指を1(人差し指)、2(中指)、3(薬指)と置いていくと、「レ・ミ・ファ♯・ソ」と弾くことができます。
第一ポジションをD線の上で構えると、次の写真のようになります。
半音を弾きたいときには、「中指と薬指がしっかりくっつくように置くこと」が音程を合わせるコツになります。
そして、いまのG線とD線の音階を繋げて弾くと、「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソ」となって、ト長調の音階が完成します!
今弾いた音階を、あらためて楽譜に表すと次のようになります。
2オクターヴの音階も弾いてみよう
いま、ソからソまで1オクターヴの音階を弾きましたが、ここでさらに上のソまで弾いてみましょう。
G線とD線までは全く同じですが、A線とE線は人差し指と中指がくっつくことになります。
指の位置が少し変わってしまうので、そこだけよく気を付けましょう。
2オクターヴの音階が弾けるようになると、世の中の多くの旋律は実際にこの音の中で作られていますので、実はかなり色んな曲にチャレンジできるようになります。
「上を向いて歩こう」を弾こう
「上を向いて歩こう」に挑戦してみましょう。
D線とA線だけで弾くことができます。
高いミの音はE線の開放弦を弾いても良いですが、A線で4(小指)を使って弾くこともできます。
どちらでも構いませんが、今回は小指を使って弾く方を採用してみました。
この曲は弓先3分の1(※弓全体の長さにおいて、先の方から3分の1にあたる部分)から弾き始めて、一音一音、弓の方向を変えていきましょう。
弓の使い方など、まだまだ考えなければいけないことは多いですが、まずは音を鳴らして楽しんでみましょう!
弾き終えた時は達成感があるはずです!
困った時の対処法
毛が切れちゃった…😥
切れた毛の根元のほうを持って思い切ってパツッと切ります。
もしくは、ハサミでその毛だけを根元から切ってください。
数本は演奏上問題ありません。
明らかに薄くなった、またはどちらか決まったほうからどんどん減っていき、毛が偏ってきた、という場合は楽器屋さんへ行き、毛替えしてもらいましょう。
弦がすぐびよーんと緩んじゃう…😥
ペグをしっかり押し込みながら調弦するのがコツです。
袋から出したら、どれがどの弦かわからなくなっちゃった!
弦の種類によっては、アジャスターに近いほうの糸巻きの色で判別できるようにしてある製品もありますが、基本的には太さで判別します。
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この記事を読んでバイオリンを始めるきっかけになったり、普段の練習を楽しんでもらえると幸いです。
独学でできる以上に、さらにバイオリンを学んでみたくなりましたか?
好きなときに、好きな場所でリラックスして楽しめる、フォニムの本格的なバイオリンレッスンがおすすめです。