ヴァイオリンを始めるにあたり、楽器以外にも必要なものがあります。
必要なもの、あったらいいものを見ていきましょう。
必要なもの
・松ヤニ
・楽器を拭くクロス2枚(指板を拭くもの/駒付近を拭くもの)
・譜面台
・肩当て
・チューナー
あったらいいもの
・温湿度計
・湿度調整剤
・ダンピット(加湿剤)
・クリーナーポリッシュ
・ペグ潤滑剤
・弱音器、消音器
・防水カバー
必要なもの
・松ヤニ
松から採れる樹脂を固めたものです。
松ヤニをつけると、白い粉が出ます。
この粉を弓の毛に、すり込む感覚です。
触るとベタベタしていて、放っておくとこびりつくので、楽器に付着した粉は弾き終わったあと必ず拭き取ります。
弾く前に毎回塗る必要はありませんが、2-3日に1度は塗りましょう。
弓の毛は、何もつけない状態ですと、弦と毛で摩擦を起こせないため滑ったような音が出ます。
松ヤニを塗りこむことによって、毛のキューティクルに作用し、摩擦力を高めます。
その摩擦力のおかげで弓が滑らず、艶のある音色が出てきます。
松ヤニは、ライトとダークの2種類あります。
ライトは、粒子が細かくさらっとタイプ。色は明るい茶色系。
ノイズの少ない軽やかな音質。
ダークは、粒子が粗めでしっとりタイプ。色は暗めの茶色系。
引っかかり(摩擦)がいいので、初心者も扱いやすいです。
季節によって、春夏はライト、秋冬はダークと、使い分ける方もいらっしゃいます。
弦のメーカーが開発したものもあれば、弓職人が開発したものもあります。
松ヤニケースがおしゃれなものも多く、選ぶのがとても楽しいです。
迷ったら、ベルナルデル(ライト)がオススメです。
サラッとした使用感で、軽やかできれいな音色、湿気にも強いです。
定番の商品で、多くの奏者に愛されている松ヤニです。
また、まれに松ヤニアレルギーの方もいらっしゃるようです。
特殊な製法でアレルギー物質が取り除かれていて安心して使える松ヤニもありますので、試してみてはいかがでしょうか
・楽器を拭くクロス2枚
弾き終わった後は必ずお掃除をしてから収納します。
楽器専用のクロスまたはガーゼで、優しく汚れを落とします。
1.松ヤニを拭くもの
松ヤニは放置するとこびりついてしまうので、弓毛の触れた部分・コマ周辺・弓の木の部分を、優しく拭き取ります。
2.指板を拭くもの
目に見えない汗や脂が、弦のサビの原因になるので、優しく拭き取ります。
・譜面台
何か他のもので代用できそうでできないのが、譜面台です。
木製の譜面台は家具としても美しいですが、軽量で折りたためる譜面台は収納や持ち運びにも便利です。
楽譜を机に置いたり、棚に楽譜を立てかけるような形で弾くと、フォームが乱れたり身体を傷めたりする原因になるので、ぜひ譜面台を準備しましょう。
・肩当て
肩当ては、使用しなくても良いものです。
「楽器の振動を止めないので、肩当てなしで弾いた方が響きが良い」という説もあり、ヴァイオリンの巨匠が肩当てなしで弾いている映像もあります。
しかし、首の長さや胸囲の厚さなどの骨格は個人によって大きく違うので、正解はないと思います。
肩当ての使用は、支えやすい・滑らないというメリットがあるので、初心者の方は実際に試させてもらって選べると安心です。
また、同じ肩当てでも、高さの調整、取り付ける角度によってもだいぶ変わります。
初心者の方が迷ったら定番のものはKUN originalです。
また、パッド型のものもあります。
・チューナー
ヴァイオリンは音程が命といっても過言ではありません。
正しい音程を、目で見て確認できるチューナーは、まさに文明の利器です。
音程が不安になったら、自分の耳の記憶、ピアノの音とともに、チューナーも活用してください。
メトロノーム機能、録音機能がついているものもありますので、便利です。
置き型の他にも、楽器の糸巻き部分にクリップで取り付けるタイプもあります。
クリップ式ですと、自分の音を拾いやすくなりますが、機能はごくシンプルなものになります。
あったらいいもの
・温湿度計
あまりに温度や湿度が極端な場所だと、調弦が大きく狂ったり、ニスが溶けたりヒビ割れをしてしまう事もあります。
湿度は50%前後が、ベストです。
ダニやカビは、湿度50%を超えると繁殖が始まり、60%を超えると急激に繁殖します。
また、ウイルスも湿度40%を下回る活発になりますので、練習環境という面でも50%くらいに保てると理想的でしょう。
ヴァイオリンの故郷ヨーロッパに比べて、日本は湿気の多い国なので、対策をしましょう。
・湿度調整剤
楽器ケース内に入れておくと、湿気が多い時は吸ってくれて、乾燥している時は、吸った湿気を放出してくれます。
・ダンピット(加湿剤)
乾燥していると、木の収縮によって、ヒビ割れや、すきまができてしまう事があります。
目に見えないレベルのすきまでも、f字孔以外から音が漏れてしまうと、音量が存分に出ない原因にもなります。
部屋全体の湿度を上げる事もできますが、楽器内に加湿剤を入れる事もできます。
ダンピットという製品は、チューブごと水に浸けて、水分を絞って表面を拭き取り、f字孔に差し込み完了です。
・クリーナー
毎回の練習後のお手入れはとても大事ですが、それでも日々少しずつ汚れてしまいます。
たまにクリーニング用の液体で磨くと、汚れが落ちて楽器のツヤがよみがえります。
・ペグ調整剤
ペグはコツをつかめば「回すのが心配」ということはなくなりますが、どうしても動かない・緩んでしまうということも起こります。
梅雨や雨が続く湿気のある時期:木が湿気を吸って膨張するため、固く回しづらくなります
乾燥している時期:木が乾燥して縮むため、緩みやすくなります。
固くて回しづらい時はペグに潤滑剤を塗り、また緩みやすいときはチョークを塗りますが、
調整剤1つで、潤滑剤と滑り止めの役割ができる便利な製品もあります。
ペグの問題の場合もあるので、一度楽器屋さんに相談するのが安心です。
・弱音器、消音器
アンサンブルの機会があったときには、作曲者の指示で「弱音器(ミュート)」をつけることがあるかもしれません。
弱音器を付けると駒の振動が吸収されて、音量を弱めるというよりは、音色がこもります。
また、大きい音で練習出来ない環境の方は、音量を消す役割の消音器(ウルトラミュート)をオススメします。
・防水カバー
雨の時期に楽器を持って外を歩くのは、ストレスフルです。
楽器は湿度に弱いので、雨が染み込んでこないようケースに防水カバーをかけておくと、少し濡れてしまっても安心です。
譜面台に取り付けられる鉛筆、コピーした楽譜を簡単に製本できる楽譜ファイルなど、音楽を学習するときの便利グッズは他にもたくさんあります。
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