音楽が大好きで、演奏に自信がついてきたら、もうちょっと専門的に音楽を勉強してみたい!と思う方も多いでしょう。
専門的に音楽を勉強するところといえば、音楽大学、いわゆる音大ですが、実際どのようなところなのでしょうか。
音楽大学は徹底的に音楽をするところ
日本の音楽大学の授業は、大体次のような感じです。
必須科目
・専攻楽器のレッスン
・楽典
・ソルフェージュ
・室内楽(アンサンブル)、オーケストラ
・語学(英語・イタリア語・ドイツ語・フランス語など)
・音楽史
選択科目
・副科楽器(専攻以外の楽器、歌など)
・音楽教育法
・著作権法
・文化経済学
・美学
・古楽(古い時代の音楽)
・邦楽(日本の伝統的な音楽)
・ジャズ
・音響学
他にもたくさんありますが、このように完全に音楽に特化しています。
一般教養のような勉強はほとんどすることはありません。
入試はどんな感じ?
入試科目としては次のようなものが一般的です。
やはり一般教養はほとんど問われません。
共通テストが必要な場合もありますが、点数は多くの場合ほとんど合否に影響しません。
(ただし落とす理由に共通テストが使われることもあるので注意が必要と言われます)
・専攻楽器の演奏
・ソルフェージュ(初見視唱・リズム・聴音など)
・楽典
仮に、音楽以外なにもできない!と悩んでいる方でも、高校さえ出ていて、輝く才能を持っていれば、入試を突破することはできるはずです。
誰でも目指せる?
日本では、音楽大学に入る唯一の条件は、高校を卒業していることです。
40代、50代の学生がいることも全く珍しくありません。
ただし、外国の音楽大学では年齢制限が厳しいこともありますので気を付けましょう。
「コネが必要」と聞きました…
音楽大学に入学するために、先生とのコネクションが必要と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは全く必要ありません。
むしろ逆で、先生とのコネクションを作るために音楽大学に入るものです。
憧れのアーティストに習ってみたい、一度マスタークラスを見学したら良かった、という動機で音楽大学に入学する学生もたくさんいます。
もちろん、先生とのコネクションがあって、勧められて入学したという方もたくさんいますが、多数派というわけではありません。
入試の勉強方法を教えてほしい
これが一番難しい問題です。
たとえば、入試で「ソルフェージュの新曲視唱が必要だよ」と言われても何のことだかわからない方が多いでしょう。
ここに関してはたしかに先生とのコネクションが必要になるかもしれません。
全くコネクションが無くて困っているという方は、近所の音楽教室に相談したり、SNSなどで調べて相談できそうな人を探すのが良いでしょう。
当たって砕けろの精神が大事です。
音楽大学に進学して、就職できる?
できるかできないかでいえば、できます。
一般大学と同じように就職相談窓口もあり、音楽系の募集は世の中にそれなりにあります。
それでも、卒業して10年後に少しでも音楽に関係のある仕事に就けている人は半分くらいです。
音楽とまったく関係ない仕事についている人はたくさんいます。
ただ、多くの人が夢見るオーケストラの団員や、ソリストになれる人というのは全体の1割もいないかもしれません。
もし人生の目標が「安定した生活」であるのであれば、あまりおすすめできないかもしれません。
音楽大学の利点
音楽大学に進むことのなによりの利点は、周りが音楽家でかたまっていることです。
もし学内にベンチがあれば、毎日そこでコンサートの案が立ち、そして企画が進んでいることでしょう。
偶然となりでごはんを食べていた人と意気投合し、3か月後には舞台で共演している、なんてことも日常です。
それができるのは唯一音楽大学だけであり、最大の利点といえます。
学生のうちは、お金がかかるプロジェクトも、大人数を動員しなければいけないプロジェクトも、学校の協力のもと進めることができます。
これは音楽大学に頼らなければ、莫大な時間、資金、人的コネクションが必要になってしまいます。
海外の音大は?
海外にもたくさんの音大があります。
そして、多くは外国人にも門戸が開かれています。
ですので、海外の音大に留学することを考えるのも良いでしょう。
海外の音大に進むときに気になるのは費用・言語・生活でしょう。
入学金から非常に高い音大もあれば、学費がほとんど無料の学校まであります。
ただし、海外で一から環境を整えて、バイトを探して、というのはなかなか大変でもあります。
また、日本の音大に行かずに海外留学の奨学金を取るのも非常にハードルが高いことです。
また、その国の言語を話せなければ意味がありません。
あなたが高校生で、日本の大学に行かずに海外の音大に行きたいと思ったら最大の支援者(おおくの場合は両親でしょう)を根気強く説得することです。
逆に、少し貯金もたまってきて、時間もできたという方は、一歩踏み出してみてもいいかもしれません。
年齢制限がある音大は難しいかもしれませんが、年齢制限が無く、レベルの高い音楽大学も世界にはたくさんあります。
急にわが子が音大に行くと言い始めた!どうしよう!
音楽が大好きで、人生を音楽に捧げたいと思ったら、音大に行きたいと思うのは自然なことです。
一方で、音大はお金がかかる割に、将来が不安だと思う親心も自然です。
筆者の体感では、両親の反対を振り切って(説得して)音大に来た人は2割、両親に強制あるいは強く勧められて音大に来た人が4割、両親に反対されることも無く自然に音大に来た人が4割くらい。
そして、そのバックグラウンドと、熱量や意欲にあまり関係はありません。
ですので、もしあなたのお子様が音楽大学に行きたいとおっしゃったなら、あなたの思う通りに反応して良いと思います。
賛成して全力でサポートされるのがあっている子や、反対されたことを反発力に奮起する子がいます。
それは個人差の問題で、どれが確実に正しいということはありません。
もし、お子さんに音楽の道が合っていないのであれば、まず入試に通らないでしょうし、通ったとしても本当に良い先生につけば、その道を諦めるような気持ちになってくるはずです。
そのために1年・2年使うのも人生にとって必要なことではないかという考え方もできるでしょう。
一方で、今あまり技術が無くても、音楽性を一気に開花させてくれる先生と出会うこともあります。
是非、お子様とよく話し合って、お互いに正直な気持ちを確かめてみてください。
受験対策をしよう
ほとんどの音楽大学は専攻実技と、聴音・視唱・楽典など、いわゆるソルフェージュを必要とします。
特に、音大受験に必要なソルフェージュは教室数も少なく、また高額な授業料がかかってしまうことがあります。
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