フォニム・ミュージックの初級ギター講座がアップデートされ、無料で受講できる基礎講座(体験レッスン)が公開されました!講師として迎えたのは、世界最高峰のスペイン・アルハンブラ国際ギターコンクールで2位を受賞した岡本拓也氏です。この基礎講座の第一回で取り上げた、「アルハンブラの思い出」を見ていきましょう。

「アルハンブラの思い出」とは

数あるクラシックギター曲の中でも、最も有名な曲です。クラシックギターの物悲しくも優美な音色を存分に味わえる曲となっています。スペインの作曲家・ギタリストであるタレガ(Francisco Tárrega)によって、1896年に作曲されました。

この曲の特徴は、「トレモロ奏法」と呼ばれる、同じ音を何度も鳴らす奏法が曲の最初から最後まで一貫していることにあげられます。音の粒が繊細に紡がれていき、綺麗な旋律の線を描く様子は、アルハンブラ宮殿の噴水の様子を表しているとも言われています。

アルハンブラ宮殿の歴史

スペインはヨーロッパの南西部に位置するイベリア半島に位置しており、北東にフランス、西にポルトガルがあります。ヨーロッパだけでなく、アフリカ大陸にも目を向けてみると、わずか14kmの幅しかもたないジブラルタル海峡を挟んで、モロッコがあります。

8世紀初頭、アラブ人の上陸部隊によってイスラム教徒による支配を受けました。このイスラム教徒による支配は、他宗教に対して融和的で、それまでの住民の信仰していたキリスト教とユダヤ教も税金さえ払えば排斥されることなく繁栄していました。

今回の主題であるアルハンブラ宮殿も、イスラム教の支配下である9世紀にグラナダに建てられました。といってもこの頃はまだ小さい城塞にすぎなかったようです。

イスラム教支配からの奪還を目指し、11世紀前半にキリスト教徒による「レコンキスタ」すなわち「再征服運動」が本格化します。イベリア半島の多くの土地はキリスト教の支配下となり、13世紀中ごろにはイスラム教の支配する地域はグラナダを中心とする、イベリア半島の南部のみとなります。

このときのイスラム王朝がナスル朝と呼ばれ、グラナダを首都としていました。このナスル朝の初代スルタン(国王に相当)ムハンマド1世と後継者たちによって、アルハンブラ宮殿は現在のような形になるまで拡大しました。このときのアルハンブラ宮殿は、要塞という施設を超え、政治施設、住宅、公的施設など様々な施設が総合的に存在するひとつの都市のようになっていました。

しかしその後もレコンキスタは続き、1492年にグラナダは陥落し、ここにイスラム教支配が始まった8世紀から続いたレコンキスタの目的は達成されました。しかし、グラナダ陥落後もアルハンブラ宮殿はそのまま遺され、モスクが教会へ変えられるなどの改変はされつつも、現在でもスペインの重要遺産として大切に保存されています。

スペインの音楽の特徴

アルハンブラ宮殿の歴史をみてもわかるように、スペインはアラブ文化の影響を強く受けています。スペインの音楽を聞くと、イタリア・ドイツ・フランス・オーストリアを中心として育ってきたいわゆる「西洋音楽」からすると少し異国情緒を感じます。

クラシック音楽の文脈のなかでも、スペインでは国民楽派と呼ばれる、民族主義的な音楽を扱う作曲家たちが活躍しました。とくに、スペインではギターを用いた音楽が発展しましたが、それは「アルハンブラの思い出」の作曲者でもあるタレガによる功績が大きいです。

その後、1936年に発生したスペイン内戦の収束とともに台頭したフランシスコ・フランコ政権によって、スペインの民族音楽は厳しい弾圧を受け、各地の音楽は細々と存続していくことがやっとでした。

現在では、フラメンコを筆頭として、スペイン固有の音楽が世界中で愛されています。

トレモロ奏法に挑戦

「アルハンブラの思い出」の特徴であるトレモロ奏法を少しだけ紹介します。

ここで主役となるのは右手の弾き方です。

右手は、親指で伴奏を弾きながら、人差し指・中指・薬指の三本の指で旋律を掻き鳴らすように弾きます。音数が多いため、繊細な音楽になのに対して、楽譜はなかなかいかつい見た目になっています。

3ページにわたり、ずっとこのような見た目の楽譜が続きます。

「アルハンブラの思い出」は難易度が高く、上級者になってもなかなか綺麗に演奏できない難曲ですが、初めてギターを触る方も少しだけこのトレモロ奏法に挑戦してみましょう。

まずは次の動きをしてみてください。ここからフォニムのテキストの抜粋となります。

この動きをギターの弦の上で行うと、トレモロ奏法となります。

どうでしょうか?なんとなく出来そうな気がしてきましたか?

続きはフォニムの「クラシックギター初級」で、完全無料で閲覧することができます。

岡本拓也氏による「アルハンブラの思い出」の演奏も、動画で見ることができます。

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また基礎動画は全3回からなり、

第2回では、クラシックギターの基本知識から構え方まで

第3回では、簡単な音階を弾く

を学ぶことができます。もちろんこれも無料で受講できます。

また、「クラシックギター初級」の本編では、数々の国際コンクールで1位や上位入賞を果たしている日本を代表するギタリスト徳永真一郎氏による、丁寧で基礎からじっくり学べるレッスンを受けることができます。

本編は、

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スタンダードプラン:月4480円

で受講することができます。

スタンダードプランは、岡本拓也氏や徳永真一郎氏も含む一流ギタリストによるアドバイスを受けることができます。

また、ギターをまだお持ちでない方は、フォニムのレンタル楽器で、毎月6990円からレンタルすることができます。

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ぜひこの機会に、クラシックギターの第一歩を踏み出してみましょう。