4歳からピアノを習い始めて、13歳のときに有名管弦楽団と共演、18歳で世界最高峰のコンクールで優勝し、20歳で最大手のレーベルからCDをリリース・・・
一流のピアニストを見るとこんな経歴は珍しくありません。
では大人になってからピアノを始めるのはやっぱり難しいのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。大人だからこそピアノは上達することができます!
頭を使う

ピアノの練習は、実は指を鍛えているのではなく、脳を鍛えています。
ピアニストの身体の作りと、一般の人の身体の作りは、指の柔軟性に少し違いがあるかもしれませんが、ほとんど変わりません。
また、ピアニストも様々な体形の人がいます。
ピアニストは、自分の身体の動かし方と、どのように演奏したらピアノが綺麗に鳴るかを経験的によく知っているだけです。
ですので、身体を鍛えようと思うよりかは、脳を鍛えようと思う方がうまくいきます。
反復練習をする際も、身体の動かし方をよく観察して、うまくいったときの感覚を記憶して、それを再現して、と頭を使って練習することで、飛躍的に上達することができます。
リラックスする
前項では脳を鍛えると言いましたが、では身体はどうすればよいかというと、リラックスすることが何より大事です。
人は精密な動きをしようとすると、身体に力が入って緊張してしまい、かえって精密な動きができなくなってしまいます。
歯磨きをするときや、ごはんを食べるとき、駅の改札でカードをタッチするときのような、日常の何気ない動作と同じような自然さでピアノに向かうことができると、綺麗な音色を奏でることが可能です。

とはいえ、慣れないピアノに向かうときは、リラックスしようと思ってもなかなかできないものですよね。そんなときにおすすめなのは、身体に一旦力をぐっと入れてから弛緩するのを繰り返すウォーミングアップです。
なかなか今の状態から力を抜く、というのは難しいのですが、力を入れてからその反動で力を抜くのは簡単にできます。力が入ってしまっているな、緊張しているな、と思ったときは、逆に力をさらに入れて、その力を抜いてみましょう。
基礎練習と曲の練習をバランスよく
基礎練習とは、曲とは関係なく、指の動かし方を鍛えるための練習です。単純に指の動きに慣れるためのものであったり、いろんな曲に出てくる技術を練習したりします。
この練習はとても大事で、様々な指の動かし方ができるようになると、挑戦できる曲数も増えますし、余裕を持って曲を演奏することにも繋がります。

一方で、基礎練習ばかりしていると、その技術が曲と結びつかず、毎日同じことの繰り返しで上達しなくなってしまいます。曲を練習すると、あらたな課題が見つかりますし、なにより情感やノリといった音楽にとってもっとも大切なものを身につけることができます。
逆に曲ばかり練習してしまうと、挑戦できる曲が一向に増えず、いつまでたっても同じ曲の練習ということになりかねませんので、基礎練習と曲の練習はバランスよく行いましょう。
一日10分しか練習の時間が取れなくても、5分の基礎練習、5分の曲の練習、とすると、確実に上達するでしょう。
これも、大人だからこそうまく練習のバランスを設計できることは大きなメリットになります。
音を良く聞く
当たり前のこと、と思われるかもしれませんが、これがなかなか大変です。ピアノはやはり鍵盤が主体のように感じられてしまい、「鍵盤をどのように弾くか?」が最も大切なことに思われてしまいます。しかし、実際には「どんな音が鳴っているか?」のほうがはるかに大事です。

自分の声を録音して聞いたら、変な声に感じた、ということはありませんか?実は楽器でもそれは起きていて、自分が出している音を最も聞きづらいのは実は自分なのです。もちろん、鍵盤上の指の運動もとても大事ですが、それがどのような音になっているか、是非耳をすまして聞いてみてください。
特にペダルを使うレベルに達したら、これは本当に大切になります。
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テクノロジーを活用する
21世紀も中盤に差し掛かってきて、2000年当時と比べると、世界は一変していますね。
2000年といえば、カセットテープはもうほとんど使われていませんでしたが、音楽を聞くと言えばCDで、さらにMDに録音すれば外でも音楽を聞ける!ということに感動した時代です。

現代は、録音・録画は手元のスマートフォンで数秒あれば出来てしまい、簡単に高音質で自分の演奏を聞くことができますし、月1000円も払えば世界中の音楽にすぐにアクセスできてしまいます。是非このようなテクノロジーは活用してみてください。
音楽練習に役に立つおすすめのアプリには、次のようなものがあります。
・録音、録画
これはスマートフォンに元から入っていますね。自分の演奏を録音して聞きなおすと、課題が見つけやすいのでおすすめです。
・サブスクリプション型音楽再生
大体月1000円~2000円で、世界中の曲を聞くことができます。とくに有名なミュージシャンの演奏はほとんど聞くことができます。
・メトロノーム
振り子のメトロノームより正確で、細かくセットすることができます。無料版でも優秀なメトロノームアプリはたくさんありますので、試してみましょう。
・楽譜表示
タブレットを持っている方はこれもおすすめです。ダウンロードで購入すれば、弾きたい曲をいつでも弾くことができます。サブスクリプション型のサービスもあります。
・バッキング
コードを入力すると、自動で伴奏をつくってくれるアプリです。デフォルトで多くのスタンダート曲が入っていることがほとんどです。ジャズの練習をするときは必須でしょう。
・動画教材
大人になると、なかなか時間を作ってレッスンに行くのは大変ですが、動画教材なら一日10分~20分確保できればレッスンに劣らない速さで上達することができます。
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・SNS
音楽は一人でも楽しめますが、自分と同じレベルの人の演奏を聞いたり、自分の演奏を聞いてもらったりすることで、モチベーションアップにも繋がりますし、上達の早道になります。知らない人にいきなり聞いてもらうのは少しハードルが高いという方もいらっしゃるとは思いますが、是非演奏を聞きあってみましょう。
背伸びして、先に弾きたい曲を決めてしまおう
やはり、ピアノを始めるときに「お気に入りの曲を弾いてみたい」という動機は多いと思います。
とはいえ、こんな超人芸は私には無理・・・、と思わないで、まずは目標を決めてみましょう!背伸びして大丈夫です!
クラシックだったら、
・ショパンの「幻想即興曲」を弾いてみたい
・リストの「愛の夢」を弾いてみたい
ジャズだったら
・「枯葉」をビル・エヴァンスみたいなアドリブを入れて弾いてみたい
・「カノン」を上原ひろみのようにカッコよくアレンジして弾いてみたい
もちろん、トップアーティストのように演奏するのは難しいとは思いますが(あなたが天才なら話は別です!)、その領域に一歩踏み込むことは必ずできます!

ご高齢(シニア)の方も、たくさんの生徒さまがフォニムで憧れの楽器を始めています。
とくにシニアの方にお楽しみいただけるフォニムのカリキュラムや、必要なご受講環境などについてさらにわかりやすく解説したページはこちらです。
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