ドラムのセッティングは十人十色。体格、身長、皆さんそれぞれ違うので、自分専用のマシンのコックピットだと思って組んでみることです。 

ちょっと、目の前のドラムセットの見え方が変わってきませんか?

それでは、具体的にどのように自分ぴったりのドラム演奏環境を作っていくのか、コツを見ていきましょう。

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この記事を書いたひと

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Yuichiro Kaifuki

貝吹 “KONG” 裕一郎

Carpentersに影響を受け14才でドラムを始め、その後Helloween、Dream Theaterなどハードなジャンルを好んで聴き、音楽にのめり込む。

石田ショーキチ氏プロデュースの1st mini Album『A』でビクターエンタテインメントからデビュー。

現在は自身のバンドGET BILL MONKEYSのドラマーとしての活動に加え、サポート参加や、セッション活動も行っている。毎週月曜日夜9時より、北海道 FM NORTH WAVEにてレギュラーラジオ番組『月’s BILL MONKYES』を放送中。

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椅子(スローン)の高さ


椅子(スローン)の手前半分ぐらいに座るイメージで、浅すぎず、気持ち深いぐらいで重心が安定すると思います。 


その状態で膝が90°から100°の角度になるように意識し、かかとを地面に着けながら、つま先を上下に『パタパタ』動かす動作をします。

テンポ120(1秒間に2回)で一番ラクに、そして持続(まずは30秒)出来る高さを見つける事をオススメします。 


この『つま先パタパタ』は【すね】の筋肉が痛くなると思いますが、意外にも脛はバスドラムにとって非常に重要なのです。 


実際のペダルでは踵を上げて踏む事が多い方もいるので、すねの筋肉は必要ないと思われるかもしれません。

しかし、持続して踏む場合や細かいコントロールをする時にはすねも必要な部分となります。 




参考として、スローンが高ければ

【音は大きくないけれど、軽快に動かしやすい】 


逆に低ければ

【重心が低くなり、大きい音が出るけど、軽快には動かしにくい】 


と、それぞれメリットがあると言われています。


上達していけば、【低くても軽快】【高くてもパワフル】に動かせるようになりまので、あくまで参考程度にしましょう。 

足の使い方


ペダルの足の置き方も基本は真っ直ぐが良いと言われていますが、 少し外側に向いても、踏みやすければ問題ないと思います。 



なぜなら、重要なのは 


【ペダルのフットボードの踏む位置】 


だからです。 


フットボードのビーター側を踏めば、パワーは出ませんが、フットワークが軽くなります。

逆にボードの手前を踏めば、小回りは効きませんが、ビーターの振り幅が大きくなるのでより「ズドン!!」と踏めます。 


なので、基本はどちらでも使い分けられるようにフットボードの真ん中を踏む意識することが大切です。


スネアの位置 


続いては『スネア』の位置です。 


スティックを握り、振り下ろした時に左の太ももに手が当たらない高さに、そして『スネア』の打面(ヘッド)の真ん中を自然と狙えるようにセットしましょう。 


スネアの位置はスティックの握り方や握る位置によって前後します。

スティックのギリギリ後ろを握る人、少し真ん中に寄せて握る人、などによってスネアの位置はもちろん変わります。 




肩の力を抜き、両手を『ハの字』に構えた時スティックの先端(チップ)がセンターにくる位置を探してみましょう。  

スティックの角度

この時には角度も十分気を付けます。 


打面(ヘッド)が水平になるか、手前に傾けるかによってスティックの跳ね返り方が変わります。 


水平にセットすれば、スティックの先端(チップ)は上にバウンドしますし、

手前に傾けると体に向かってバウンドしてきます。 


チップの跳ね返り方によって、無駄な力が入ったり、全身のバランスが崩れたりするので、一番スティックを振り慣れた角度にしましょう。




チップの跳ね返り方によって、無駄な力が入ったり、全身のバランスが崩れたりするので、スティックの振り慣れた角度にするのが

ベストなのですが、一つ注意をするべきは事は


【オープン・リムショット】のやり易さです。 


同じスネアを使っていても 


『パン!』 


と鳴る人と 


『スパーン!!』 


と鳴る人では明らかな違いがあります。 


その多くが、オープン・リムショットをしているか、していないかの違いです。


このオープン・リムショットとは

打面(ヘッド)とフープ(リム)を同時に叩く奏法です。同時に当てることにより、フープ(リム)の金属音も混ざり、『パン!』ではなく『スパーン!』と音が抜けます。 




「どれだけ強く叩いても音が『ガツン』と鳴らない」 


と、感じる人でオープン・リムショットを試していなければ、是非とも試してみてください。


ただし、この奏法にもデメリットはあります。 


それはスティックの打面(ヘッド)に当たる位置により音色が極端なほど変わってしまうことと、フープ(リム)だけに当たった場合には『カッ』としか音が出ないので、ミスショットがあからさまに出てしまうことです。


それに比べ、ヘッドだけを叩くショットは音色のバラつきも少なく安定した演奏が可能です。 


そこで、オープン・リムショットを基本として演奏したい場合はスネアを『ヘッドとリムに同時に当てやすい角度』にする事も注意しなければならないのです。 


フットボード同様、こちらも両方使い分けられるのが良いので、オープン・リムショットを意識しつつじっくりスネアの角度を調整してみましょう。

しっかりセッティングすることは、上達の早道

ここまでをまとめてみましょう。


1.椅子の座り方

・手前半分で重心が安定する位置

・気持ち深めに座る

2.椅子の高さ

・『つま先ぱたぱた』がしやすい高さ

・90°~100°を目安に

3.フットボードの踏むポジション

・基本は真ん中を踏む

・踏む位置を自由に変えられるように

4.スネアの位置

・両手をハの字に構えた時、自然に中央を狙える位置

5.スネアの角度 

・跳ね返りの自然さ

・オープンリムショットの打ちやすさ


たかがセッティング、されどセッティング。 


自宅でも1畳のスペースが確保できれば、スティックを振りながら重心のキープをする練習をしたり、椅子やスネアの高さ調節は出来ます。 



そして、バスドラムとスネアにストレスを感じる事なく演奏出来る位置を見つければ、ドラムの上達への近道にもなります。 


自分にピッタリの高さ・角度を見つけて、気持ちよくドラムの練習をしましょう!

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